チクホウフォーカス

2013年〜共同ポケットの活動記録です。

祝!福岡県の守りたい景観活動に認定!

筑豊の多彩な映画文化を紹介するイベントを福岡市でやってみたい!
強い気持ちで思い立ったものの、映画を上映するにも、ゲストをお招きするにも、それなりのまとまった資金が必要。気持ちばかりが先走り、先立つものがなかった私たちがよし!と挑戦したのが、福岡県が募集する助成事業への応募でした。
アジアフォーカスに合わせ、どうしても9月に開催したかったので、合格を待っていても始まらない。とにかくやろうと6月末から動きだして、ゲストと会場を決定。7月にはチラシを作って、チケットぴあに登録をすませ、7月20日から販売開始。着々とその日が近づいてくるのですが、チケットはなかなか動かない。不安を抱えながらも準備をすすめ、8月初めの審査会に参加しました。

福岡県が募集する、平成26年度「ふくおか地域貢献活動サポート事業」。福岡の豊かな自然や景観の保全活動に対し助成金がいただける制度です。
緑の山々、きれいな川…美しい自然環境を守りたいと誰もが願うもの。と同時に、今の私たちが考える故郷の守りたい景観=それはまさに、たくさんの人々の思い出が詰まった場所。一見、古めかしい建物ですが、その土地ならではの文化を伝えるシンボル的な建物、ターミナル会館がある景色だと熱く主張しました。
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昭和34年建設の箱型コンクリート造。一階部分は今もバスターミナルとして辛うじて使われていますが、昭和の終わりまでここは、たくさんの人々が集った映画館でした。約700席もの客席が階段状にあり、レストランなども備えた今でいう複合型商業施設の先駆けでした。
洋画や邦画、アニメ…いろんなジャンルの映画が全国第一封切でここ田川で上映されていたといいます。1975年に田川を舞台に撮られた映画、青春の門も、全国ロードショーを前に、ここターミナル会館でお披露目となりました。
吉永小百合さん、田中健さんが舞台挨拶に訪れたと言います。
そんな華やかな映画文化を伝えるシンボルともいえる建物も老朽化が進み、取り壊しもささやかれるようになりました。

消え行く街の景色をなんとか記憶にとどめていく活動ができないだろうか。
地元では見飽きているこの風景も、都会の人ならその価値や存在感を違った目線から感じてくれるかもしれない。
応募条件として、すでに実績のあるNPO法人と協議体を作らなければなりませんでしたが、幸い、相棒の山本は以前から建築の勉強をし、福岡市を拠点に老朽化したビルの再生活用に取り組むNPO法人福岡ビルストック研究会に所属しておりましたので、その考えをターミナル会館にも応用できるのではと、吉原代表にすぐに相談にいって主旨を理解して頂き、協力体制が叶うこととなりました。

博多の街ではすでに、古い建物に少し手を加えて新しい風景と融合し、うまい具合にその地域のコニュニティを作っている例が多くあります。
その一つが、以前、山本が管理人をしていたリノベーションミュージアム冷泉荘です。実際、冷泉荘もターミナル会館とほぼ同じくらいの築年数ですが、今では地域に愛される博多の名所となっています。

たくさんの方々のご協力を得ながら、万感の想いを込めて、ターミナル会館のある景色を知ってもらう活動を含めた映画祭「チクホウフォーカス」をやりたいのだといったことを懸命にプレゼンしました。

ドキドキしながら発表を待ち、本番まで2週間と迫る頃に、ついに採択通知を頂きました。飛び上がって喜びました!
ターミナル会館が福岡県の守りたい景観のひとつとして、堂々と認定を受けたといっても過言ではありません。
私たちの活動はまだ始まったばかりですが、少しでも「地域貢献」に繋がるよう頑張って行きたいと思います。不合格の際にはすべて自腹覚悟の大博打計画でしたが、なんとか、フィルムの版権使用料や田中健さんへの謝礼を確保することができ、ほっとしている次第です。(共同ポケット•青木美香)