チクホウフォーカス

2013年〜共同ポケットの活動記録です。

俳優・田中健のケーナと往年の映画音楽が描き出す新世界

先日、アクロス福岡で開かれた田中健さんのケーナライブに行って参りました。

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田中健さんとお会いするのは今回が4回目。
故郷・田川を舞台にした伝説的名画「青春の門」で主人公、信介を最初に演じた俳優さんというご縁から、イベント等で交流が深まり、3年前、共同ポケットが福岡市内で企画した初めてのチクホウフォーカスでも、映画にまつわるトークと共に青春ライブショーと題して、ケーナをご披露いただきました。

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南米に伝わる竹を加工したシンプルな縦笛ですが、透明感のある美しい音色が独特の世界に誘います。
今回もそのような感覚をイメージして、チケット切りや会場案内などのお手伝いをさせていただいた後、静かに客席の端に座りました。

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今回の舞台は、これまでのケーナライブとは一味も二味も違うと聞いてはいました。
まず、会場が、数々の著名なオーケストラ、クラッシックコンサートが開かれるシンフォニーホールです。

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会場に入った途端、目に飛び込んできたのは、まるで夜空の星をかためてつくったような美しいシャンデリア。かなり低い位置までいくつも下がっています。
あとから聞いたことですが、この演出は、シンフォニーホール始まって以来、初の試みなんだそうです。

真っ白なスーツに身を包んだ健さん。一見近寄り難いようなオーラを放つ端正なお顔ですが、実はとってもフランクでチャーミングで、お客様に対していつも謙虚な姿勢で、親しみやすい雰囲気を作られる方。
こんな素晴らしい会場でやらせていただけるとはと、大変喜んでいらっしゃいました。

ケーナとピアノ。今回は歌は歌わず、健さんは徹底して、ケーナの演奏に集中されました。
入念なリハーサルを経て、ピアノとの計算され尽くしたメロディラインのパート分け。
役者としての表現力は、合間の語りと、二篇の詩の朗読が入るのみでした。

素朴に響き渡る郷愁の音色というケーナの固定イメージが、ピアノとのセッションによる映画音楽というカテゴリの中で、多彩に進化していました。
沁みるメロディラインはもちろん、合間に健さんがアドリブで入れているという、しゃくりのような合いの手がリズムを生み、思わずブラボーと叫びたくなる、ジャズライブのような雰囲気もありました。

ゴッドファーザー ひまわり、戦場のメリークリスマスサウンドオブミュージック、ニューシネマパラダイス、、などなど、おなじみのテーマ音楽が、その映像をかきたてる。

確かにもう一度、映画がみてみたくなる!
そう思っていただいたなら、このライブは大成功ですと健さんも言われていましたが、本当に楽しめました。

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私が思わず涙がこぼれたのは、見上げてごらん夜の星を の演奏のとき。
亡父がよく歌っていた歌でした。

こんなにうつくしく切ないメロディだったんだ。低く下がったシャンデリアがほんとうに手を伸ばせば届きそうな星の塊に見え、父が降りてきたような感覚になりました。


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方々からこの舞台のためにプロが結集していました。CD販売までお手伝いさせてもらい、打ち上げにもまぜていただきました。
温故知新。日々精進。
大変良い時間でした。人の繋がりに感謝ばかりです。

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