筑豊の映画文化の殿堂「ターミナル会館」
昭和34年建設のターミナル会館。箱型コンクリート造、田川市と都心を結ぶバスターミナルであり、映画館やレストランも入る、今でいう複合型商業施設を兼ねた駅ビルの先駆けでした。
約700席の階段式客席の巨大映画館は昭和の終わりと共に閉館しましたが、その圧倒的な存在感の建物はいまだバスターミナルとして利用されています。
初めて見る人は要塞のような独特の雰囲気に驚かれますが、当時の炭鉱施設はどれもこうしたコンクリート造が主流であり、地元の人にとっては昔ながらの馴染み深い光景です。
約700席の階段式客席の巨大映画館は昭和の終わりと共に閉館しましたが、その圧倒的な存在感の建物はいまだバスターミナルとして利用されています。
↑バスターミナルの天井上がちょうど劇場。階段式客席の様子が下から伺える
現在、中は立ち入り禁止であり、座席などはそのままの状態で放置されている
初めて見る人は要塞のような独特の雰囲気に驚かれますが、当時の炭鉱施設はどれもこうしたコンクリート造が主流であり、地元の人にとっては昔ながらの馴染み深い光景です。
実は、このターミナル会館と同時期に建築され、さらに規模が大きい、約1000席の座席数を誇る「大峰会館」跡(古河鉱業所有)が田川郡川崎町に残っていたのですが、その保存活用策も何もないまま、つい2ヶ月程前に、突然、取り壊されてしまいました。
残念でなりません。
昭和35年当時、福岡県内にある映画館の半数が筑豊に集中しており、田川市郡だけでも25館がひしめいていました。しかしその輝かしい歴史はまるで幻だったかのように、目の前にあった風景は跡形もなく消え行くばかり。
今となっては、辛うじて目の前に屹立するこのターミナル会館だけが筑豊の映画天国のシンボルとなりました。
しかしながら、このターミナル会館も老朽化がひどく、取り壊しも時間の問題だと言われています。その前にせめて!
チクホウフォーカスは、こうした風景に価値を見出し、その歴史を見直す活動をテーマとしてスタートしました。