チクホウフォーカス

2013年〜共同ポケットの活動記録です。

異様な山、香春岳

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青春の門」の原作者、五木寛之さんと香春岳(ロケ時1975年撮影)。筑豊篇から始まるこの大河小説は全14巻でいまだ未完成と言われています。冒頭より「香春岳は異様な山である」ではじまるこの小説をもとにした映画では、福岡県田川を象徴する山「香春岳」の当時の姿が印象的に描かれています。炭坑町として知られる田川ですが、この香春岳から採掘される石灰石もまた重要な産業です。三連に連なる山ですが、昭和の初めから採掘が始まり、一の岳より山頂からすり鉢状に徐々に削られています。白肌があらわになり、年々低くなっていく様に望郷の念を頂く田川人も少なくありません。
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山頂の様子です。眩しい程の白い世界が広がっています
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香春岳で採れる最高品質の寒水石は、キラキラと輝き、まさに白ダイヤです。

映画のラストシーンでは、筑豊を去る親子が、車窓に見える香春岳を拝む姿が出てきます。身を削られながらもいつもそこに堂々たる姿を見せる香春岳。田川の人にとっては、年々小さくなりながらもいつでも見守ってくれる母なる山であるのかもしれません。