チクホウフォーカス

2013年〜共同ポケットの活動記録です。

チクホウフォーカスへの想い

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私の生まれ故郷、福岡県筑豊地方はその昔、日本一の産出量を誇る「石炭の町」でした。
炭坑があったからこそ方々から人が職を求めて集まり、独特の社会が育ち実に多彩な文化が
生まれました。と同時に、命がけの過酷な労働ゆえ悲惨な出来事も起こり、多くの命が犠牲にもなりました。
いま、私たちの生活を支えているエネルギーは主に石油、そして原子力
あらゆる産業を動かし、生活に必要なモノをつくり、私たちの暮らしに直結する原動力。
それを、ほんの半世紀ほど前までは、地中に眠る石炭という黒い石を掘り出し
燃やして作っていたのでした。

明治の初めから昭和中ごろまでそれは続きました。
近代ニッポンの発展は石炭と共にありました。
そんな時代に生きた人々の様子を克明に記録した絵が、近年、話題になりました。
日本で初めてユネスコの世界記憶遺産に認定された「山本作兵衛さんの炭坑画」
一度は目にされたでしょうか。
http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbooxstore%2Fcabinet%2F00331%2Fbk4874158277.jpg%3F_ex%3D128x128&m=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbooxstore%2Fcabinet%2F00331%2Fbk4874158277.jpg%3F_ex%3D64x64
【筑豊炭坑絵巻/山本作兵衛】
私は子供の頃から、あのなんとも言えない独特の絵を身近に見て育ちました。
でもそれがなんだったのか、なにを伝えたかったのか、最近になってようやく
少しずつわかってきたような気がします。

ただひたすら、真っ黒になって、男も女も関係なく働いていたあの時代。
それは金のため、生活のため、家族のため。
明日の命の保証はないというのに、人々をひきつけてやまない様々な要素が
そこには存在しています。

そのうちのひとつが、大衆娯楽、映画文化。
そこに焦点を合わせてみたいと思いました。

かつて、筑豊には考えられないほどの数の芝居小屋、劇場、映画館が
集中していました。あらゆるジャンルの興業、映画が全国に先駆けて
上映されていました。筑豊を舞台にたくさんの本や芝居、映画も作られ
現在、全国的に活躍する文化人の中には筑豊を原点とする人も実に多いのです。

そうしたさまざまなストーリーを集めて、もう一度、日本の歴史の1ページを
見る感じで気軽に触れられる機会を作りたい。

毎年9月に、福岡市ではアジア映画にスポットをあてた映画祭「アジアフォーカス」
開催されています。今年で25年も続く、福岡市をアジアの玄関口としてPRする凄い
映画祭です。図々しくも大胆に、そこにちょっと便乗して「チクホウフォーカス」と
名付けてみました。うん!!いいね!!
アジアのことを福岡市でやるのと同じように、チクホウのことを福岡市で!
そこがミソです。勝手にそう思い込みまして、さっそく簡単な企画書を作って
まずは福岡市役所内にあるアジアフォーカス事務局を尋ねてみました。
専売特許とかあるかもしれないし、いろんな申請書を書いたりしなくちゃいけないこと
覚悟していました。。
けれど、返ってきたお言葉は意外にも「問題ないですよ」でした。
「急なことで、協賛企画とかは無理でしょうけど、テーマはよいし、面白いと思いますよ」
と陰ながら、個人的に、応援します!みたいな感じで、担当者より笑顔をいただきました!
後日、その担当者が、福岡市の後援をとるのにも動いてくださいました。お陰さまで、一応
福岡市と福岡市教育委員会の後援というお墨付きです!

かくして「チクホウフォーカス」はまるで、とてももっともらしく
しかし、実働部隊はわずか数名。という状態ながらも動き出したのでした。