チクホウフォーカス

2013年〜共同ポケットの活動記録です。

記憶の坑道 @福岡市博物館 最終日

イメージ 1

6月の初めより、福岡市博物館で開催されていた山本作兵衛の世界~記憶の坑道展が最終日を迎えました。
私は上野朱さんから招待状を頂き、6月20日に見に行きました。単なる原画展に終わらない、筑豊の炭鉱の歴史全般を作兵衛さんの絵を案内役として立体的に見ることができる、筑豊人にとっては大変誇らしく見応えのある内容でした。

イメージ 2


コツコツと作兵衛翁が65歳から描きためてきたもの。うちの父は65歳で死んでしまったけれど、作兵衛翁は天性の習慣がその仕事を成し遂げたのですね。
永末さんの言葉を借りるなら、炭坑労働と同じように絵を描くことも、まやかしや遅延を許さなかった日常そのものだったのだと。ひたすらに働き、ひたすらに生きて、ひたすらに描いた。それがこのように人々の記憶の案内役になって今も生きている。
人や自分を騙すことなく、よりよい日常を送らねばと、あらためて背筋がのびました。

明治期に筑豊の炭鉱が果たした役割を問い続け、作兵衛さんの絵を記憶遺産という形で世界に認めさせた功労者の一人とされる、福岡市博物館の有馬館長が自ら、珠玉の言葉で展示の流れを作られていたのもとても心に響きました。
何故、筑豊は、明治日本の産業革命遺産の関連リストから外されたのか、明確な答えを示し、何も残っていない、残らなかった筑豊ということを含めて歴史であるということ。
「こんにちの筑豊は体験者の記憶として語られるほかはない」
という有馬館長のお言葉に心から共感と敬意を覚え、最終日の夕方、ついに会いに行ってしまいました。

イメージ 3


記憶の坑道に込めらた深い意味、
菊畑茂久馬さん、野見山暁治さん画家の目からみた作兵衛論、興味深いお話ばかりで、あっという間に時間が過ぎました。


今回の展示には2万人が訪れたそうです。良い流れを田川に運べるよう、チクホウフォーカスのお話もしっかりとさせて頂き、チラシやポスターを受け取って頂きました。
想像通りの素敵な有馬館長にお会いでき、とても心強く励みになりました。
心より感謝申し上げます。
青木美香