チクホウフォーカス

2013年〜共同ポケットの活動記録です。

本橋成一さんと巡る田川ツアー/旅のはじまり~伊田の街編

東京在住の写真家、本橋成一さんが原点とする筑豊の今を見てもらいたいと、福岡市でトークイベントを終えた翌朝、共同ポケットの地元田川にお連れすることが叶いました。
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 このたび新装版として再編された本橋さんのデビュー写真集「炭鉱〈ヤマ〉」をより多くの人に知って頂くと共に、かつて本橋さんが東京から足繁く通い、人々と交流を深めた筑豊が今どのようになっているのか、ありのままの様子を見て頂きたかったからです。

鞍手町にあった筑豊文庫を拠点に作家、上野英信の導きで主に中小炭鉱の労働者とその暮らしを追った本橋さん。上野氏が最も尊敬する山本作兵衛翁の自宅は二本煙突のそびえる田川市にあり、上野氏に伴われ何度も通いました。山本作兵衛翁の偉業がやっと世界に認められたとき、その柔和な人柄を表す顔写真が次々と世間に紹介されましたが、そのほとんどは本橋成一さんの写したものでした。


 
本橋さんは我々の故郷の風景を当時どのように感じ、またどんな未来を想像していたのでしょう。
今こそ一緒にその景色を見たいと思いました。

幸い、田川市には博物館と名のつく石炭の歴史を紹介する施設があります。これを機にさらに交流を深めてもらえたら、また、地元で頑張るカメラマンや語り部にも会って頂きたいと思いました。そして、今回の交流をテレビや新聞で広く発信してもらえたらさらに素晴らしい!

そんな思いから企画を持ち込み、ありがたいことに、当日、現地を巡る10数人乗りのバンを博物館から運転手付で出していただけることになり、実現に到りました。
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共同ポケットは本橋さん、上野朱さんを福岡のホテルから石炭博物館まで、帰りは博物館から福岡空港まで送り届ける責任重大任務がありますが、とにもかくにも、朝10時、あいにくの空模様の中でしたが、博物館に集合です!
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まずは石炭歴史博物館の館長さんの案内で作兵衛さんの展示室をみたあと、共同ポケット山本の地元、子供の頃から親しむ伊田の町周辺を歩きました。かつての繁華街、商店街、平成の初めに新築された伊田駅。いづれも静まり返っていますが、確実に何かを訴えかけているようでもあります。
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当時の賑わいを知る元炭鉱夫の語り部は、それでも人の声が聞ける場所へ次々と本橋さんを導きました。人が来るのが嬉しくてたまらない、誰に語りたくて仕方がないのでした。

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本橋さんは複雑な表情で言葉少なくに歩いていらっしゃいました。
「もったいないねえ。なんとかならないのかなあ」

あまりに寂しい気持ちになったので、ここは、福岡の五大祭りにもなっている川渡り神幸祭とその氏神である風治八幡宮に参拝しました。
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由緒ある神功皇后の石に元気をもらい、お昼ご飯は田川名物、ホルモン鍋。
肉食は元気の素と、本橋さんも喜んでくださいました。
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昼食後から車移動。ここからは山本作兵衛さんのお孫さん、緒方惠美さんも加わりました。

続く